暁月の傭兵団

「うおっデュラハン！？……いや、敵意はねえな、それに…お前さん傭兵だな？」
『…目利きが良いなお前。だったらどうするんだ』
「アテがないならちょっと付き合え、傭兵同じの親しみがないと寂しいんだよオジサンは」

傭兵にも、憩う場所は必要なのである。
それが根無しの草であるならば、風に吹かれてばかりいる訳にも行かないのだから。

傭兵団は、誰も棲みつかなくなった家屋を傭兵の兵舎として改築し、そこを拠点としている。
傭兵同士の繋がりを大切にし、団欒の一室や遊戯室が設けられている。また、ギルドマスターの一人が酒好きなので、酒の貯蔵もそれなりにある。
…また、そのギルドマスターの特技の披露を目的に食堂なんかも設けられているね。

今日はどんな依頼を受けた？
どんな奴と手を組んだ？
どんな敵と戦った？
冒険者に雇われた傭兵や、そうでない純粋な冒険者でも。
その冒険譚を肴に、樽の洋杯を傾ける。

暁の空、朝焼けに残された月が沈むまで。
彼らは傭兵/冒険者としての人生が続く限り、酒と歌に明け暮れるのだろう。

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